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(105)毎日が雨だったバリでの旅
 今年の夏は記録的な局地豪雨が全国で多発し、日本列島にたいへんな傷あとを残しています。これほどの大雨ですと人々の生活も脅かされ“風流”どころの話ではありませんが、こと旅の途中の雨は予定をこなすことを諦めさせハプニング感をもたらしてくれるため、実は私は嫌いではありません。熱帯の国インドネシアと雨。およそ不似合いな組み合わせに思える二者ですが、今も心に残る旅のいくつかのシーンはこの雨が彩ってくれています。

 バリ島のおへそ、高原の町ウブドに私の定宿はあります。王制の残るバリで、ウブドの一帯を管理している王族が営むゲストハウス。伝統的なバリの建築様式を踏襲している築200年以上の建物は、人間だけでなくさまざまな虫や動物たちにとっても居心地のよいすみかとなっています。

 雨の少ない乾季なのに、今回の滞在は初日からずっと雨。昨日は出先のカフェで雷雨に遭い、洪水の橋を胸まで浸かりバイクをだめにしながら宿まで戻るイベント(世間的には「イベント」ではなく「ハプニング」というかもしれません)があり、今日はどこにも出かけず一日宿で雨見会。

 宿の庭で、まつりのときなどにガムラン(青銅楽器)演奏をするためのあずまやに腰掛け、葉が密に茂る木の下で雨宿りしている子犬を眺めていると、おしりをチクッと刺激するものがいます。よく見ると、赤茶色の大ぶりのアリが列を作って獲物を巣に運んでいるところでした。私が腰掛けた場所は、ちょうどアリの通り道らしく、小さい働きものたちは「おばさん!邪魔だな~・・・」と、私をぐるり迂回して列を作っています。

 「ごめんごめん」アリたちの邪魔にならない場所に退去して、ひんやり気持ちのよいあずまやのタイルに寝そべり、今度はアリの観察です。

 感心することに、彼らの手際とチームワークのなんと優れていることか!小さくちぎった葉っぱはそのまま一匹が巣まで運んでいます。自分の体より大きな獲物は、数匹でおみこしのように巣の近くまで運んでから胴囲だけを巣穴の大きさまで解体し、あとは巣近辺のものたちによってバケツリレー形式で中まで(ながさは長いまま、ちゃんと角度を調整して穴の中へ!)送られています。あまりに気持ちよく作業が進むため、つい見入ってしまいます。(途中、宿のおかあさんが「お昼ごはん食べなさい!」と台所から怒鳴っていた記憶がありますが…まったく動かない私に呆れたのでしょうか、いつのまにか静かになっていました)

 思いついて、巣穴よりはるかに大きいクッキー片をポトリ。穴に入りきらない柔軟性のない収穫物を彼らはどうやって運ぶのか。見ていると、自分の小さい頭にちょこんと乗っかるだけの大きさにクッキーをちぎって、一匹一匹がアフリカの水運びの女性みたいにクッキーの冠を頂いてさっさと歩いていきます。大きなクッキーは、ものの数分で跡形もなく消えてしまいました。

 けっきょく帰国日まで雨があがることはなく、毎日まいにちアリの観察をした今回の旅。忙しく観光地をめぐる旅と対極の、ある意味贅沢な思い出です。
     
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