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 (115) ワールドカップから見える世界



 ブラジルで大いに盛り上がっている競技を、ヨーロッパをはじめ圧倒的多数は「フットボール」と呼びますが、北米や日本では「サッカー」と呼んでいます。よく言われるように、サッカーにはその国や地域の特性が現れるものです。ヨーロッパは組織的、南米は個性的(個人技)という言われ方もします。日本は調和と協調を重んじる国民性があるので、個人プレーは苦手です。ですから日本から「メッシ」は出ず、「滅私」です。チームプレーや小技は得意なので、小さい局面をパスワークで切り開くサッカーを追求してきました。それが、前回大会を制したスペインのように時流でもありました。

 今大会では高い位置で相手ボールを奪い、一気に逆襲する「ショートカウンター」が全盛です。オランダもコスタリカもチリもそうしたサッカーを貫いています。いわば「前陣速攻型」です。オランダはスピード豊かで技術の高い選手をずっと輩出してきました。国土が狭いことや幼少期からスケートで足腰が鍛えられることと関わりがあると思っています。コスタリカの躍進は今大会の注目の的となりました。自国の憲法に常備軍を持たないことを明記しているのは、コスタリカと日本くらいのものだそうです。英語で表せばRICH COAST=豊かな海岸を意味する名を持つこの国は希少種の鳥類や昆虫、コーヒー栽培でも有名ですね。一度は訪れてみたいと思います。

 南米ではボールひとつで道具が不要なスポーツとして、子どもたちはサッカーに興じます。狭い路地やちょっとした広場での遊びから、ボールキープや局面を打開する能力が育くまれるものなのでしょう。ただ、ブラジルではそうしたストリート・サッカーで交通事故も増えているそうで、事情も変わってきているのでしょう。

予選リーグで日本と同組だったギリシャの選手たちは、ワールドカップ出場ボーナスの受け取りを拒否したというニュースも流れました。彼らは首相に対して、そのお金で代表チームの新しいトレーニングセンターをつくってほしいと要望したといいます。EUの経済危機の代表のように言われるギリシャの選手たちは「ギリシャと国民のために戦っています」と首相に手紙を渡したそうです。

いくつかの国々ではサッカーは国民の大きな関心事です。かつてコペンハーゲン滞在中に、デンマーク代表が敗れてワールドカップ出場を逃すという悲劇的な日にあたり、バスの運転手からレストランのボーイ、商店の売り子まで揃って不機嫌だったことを思い出します。7月にはクロアチアやボスニア・ヘルツェゴビナを旅しますので、予選リーグ敗退の2ヵ国民の「ご機嫌」が不安材料です。まあ、同じ予選リーグ敗退の国民として連帯できれば良いのですが......



 

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