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(27) 元宵節
長い連休が続く春節より、子供の頃は元宵節のほうが楽しみだった。

「元宵節」は中国の旧暦の正月15日で、上元節ともいう。元宵の「元」は一月、「宵」は夜の意味で、旧暦1月15日は新年最初の満月の夜になる。この春節後の最初の満月の夜に、それぞれの家では身内の者が集り、共に幸せを願う。主な行事は二つ:「湯元」を食べる;灯篭を飾って、見物をする。

元宵節は一年で最初の満月の日にあたるから、この日に食べるのも丸い月の形の団子である。普通は「湯元」、「湯丸」、「湯団」と呼ばれるが、この日にちなんでそのだんごそのものも「元宵」とも言われている。

子供のころ、母が湯元を作るのを見ることは一つの楽しみだった。米の粉を水でこねた生地を掌のてらにして、くぼみをつけて丸めた餡をのせて包み込む。米の粉が崩れやすく、水加減が大事。餡はすり胡麻に砂糖とラードを混ぜたもの、小豆こしあん、刻んだくるみに桂花醤(金木犀の花の蜜漬け)を混ぜたもの。小さいごろずっと甘いものが苦手な私は、あまり「湯元」に興味がなかったが、母はまたあんに工夫して、サンザシの実の赤く甘酸っぱいあん、塩味の肉あんなどをつくってくれた記憶がある。

「湯元」の食べ方として、普通はゆでて、そのゆで汁ごと碗に入れ、だんごを食べながら汁を飲む。どうしても米の粉が溶けて、ゆで汁が白濁する、しかもなんの味もないから、子供時代の私はあまり好きではなかったが、今はこの味のない素朴なゆで汁を思い出したら、むしょうに飲みたくなる。すべすべした舌触りのだんごを噛むと、熱く甘いあんが出てくる。やけどしないように気をつけて、ゆで汁を飲むと、ほどよく口の中が洗われて、胃がもたれない。まさしく「一家団楽」を象徴する食べ物である。

「湯元」を食べることより私の心をもっと魅せられたのは、「灯会」だった。元宵節の行事は、もとは道教に由来するといわれている。道教の発祥地に近い成都では、毎年この日、盛大な「灯会」(灯篭祭)が行われる。

「灯会」が行われる場所は道教で有名な「青羊宮」である。色とりどりの鮮やかな提灯を明るく飾り付けて、遠くから眺めてみると非常にすばらしい。提灯の形もそれぞれ違い、蝶々、蜻蛉、「西遊記」や「紅楼夢」など古典の人物・・・その華やかな明るさ、美しさにいつも心ときめいた覚えがある。もちろん見物の人々は山ほど多く、寒い冬の中、熱気が溢れていた。「灯会」は子供の頃の私にして、まるで夢の世界だった。

今年の元宵節は3月4日。故郷の灯会はまた賑わうでしょう。

      

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