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(33) 野良犬様事情  ―バリ島編―
『神々の住む楽園・バリ島』とはよく云われるが、実はバリは『野良犬天国の島』でもある。実のところ島でみかける野良犬はほとんどが人に飼われていて、単に放し飼いにされているだけなのだが、いまは敢えて『野良犬』と記することにする。

バリの野良犬は大半がやせこけていて、暑さのせいか座りダコなのかところどころ十円パゲをこさえていることが多く、みるだに貧乏臭い。
そして例外なくひたいに深くてせつない下がり眉なシワをたくわえていて、いつどの犬をみても「私困ってます」ふうなオーラを発しているところが特長。

彼らは日の高いうちは日陰を探して死んだように眠っている(いや、ダレているだけなのかも)が、日が落ちて涼しくなると2頭、3頭とつるんで楽しそうに駆けっこしたりじゃれあったりする。人間が近くを通りかかっても、興味がないのか危害を加えることもなく吠え掛かるでもなく、平和なものだ。

遠くから彼らの遊ぶ姿を眺めていると「やっと涼しくなったね、あはは」「夜は楽しいね、うふふ」と、ハートマークやスパンコール満載のピンク色のフキダシが見えるようで、あのようにせつなそうな顔(生まれつきか)にもかかわらずめげずに(大きなお世話か)人生を謳歌している姿がいじらしくなる。でもそれは私の勝手な妄想だとは思うが。

夜、舞踊鑑賞を終えての帰り道。薄暗い村の道を歩くときに、「うふふ…」と幸せそうな犬たちが数頭じゃれあいながら軽快なステップで宿の近くまでお供してくれる。平和と善意に満たされたこの時間はバリの夜のお定まりコースでもあり、彼らはこのときばかりはなにより頼もしい用心棒となる。

ここ数年、島には外来の犬たちが溢れている。
島の王族は富を競うようにこぞってドーベルマンを多頭飼いし、外国人が住む別荘エリアにはマルチーズやラブラドールなどが散歩している姿が目につくようになった。

私が衝撃を受けたのは、ウブドのスーパー『デルタ』の前を、薄汚れて野性味を増したヨークシャテリアの野良犬様が、肩で風を切るように勇ましく歩いているのをみかけたとき。
彼はきっと帰国の途につく心無い外人に捨てられた真性野良犬様であろう。愛玩犬・室内犬のたよりないイメージが先行するヨークシャテリアの、『オレはひとりだって生きていけるぜ』な強い眼差しに触れ、貧乏な(だから勝手にすみません)バリ犬をはるかに凌ぐ哀愁を感じたことは忘れられない。

島では、体力を付けたいときに犬肉を食することがある。一般の食堂では供されないが、村の大通りから一歩入った小道に「R」と書いた看板を見かけたら、そこが犬肉レストランだ。

島の友人らは「Rの店の周りには野良犬がいない」などどふざけて笑うが、よしんば事実としてもさすらいのヨークシャテリア氏が贄になる日がこないことを祈るばかりである。


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