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(51) 成都の茶館
   
   
先日、中国のニュースで、私の故郷の成都が再び「全国最休閑的城市」(全国で一番のんびりしている都市)に選ばれたことを聞いて、思わず笑ってしまった。
成都の人々の「のんびり」は昔から有名。気候が温和で、物産が豊富な成都平野は周りを五千メートル以上の高い山に囲まれ、外敵も侵入しにくい。「天災人禍」の少ない成都で育った人間は当然ながら危機感があまりない。

両親の話によると、50年前の成都の一般家庭は、お米すら置いていなかった。主婦は朝起きたら、まず自由市場へ行って(通常玄関のドアを開けたら、その路地は自由市場になっている)当日分のお米と新鮮な野菜を買ってご飯をつくったそうだ。

そんなのんびりしている成都を代表するもう一つの場所は「茶館」である。成都の人々は昔から茶館でお茶を飲むことを好む。「茶館」といっても屋根のない露天のところが多い。公園やお寺の竹林のそば、川沿いの空き地で、四角の小さい木製のテーブルと竹の椅子を大雑把に置いておけば、茶館になる。茶碗は一律盖碗(茶托、瓷碗、瓷盖の三点セット)を使う。お茶は庶民的な「三花」(三級ジャスミン茶)から中、高級クラスの竹葉青、峨眉毛峰、蒙顶甘露、碧潭飘雪までいろいろな種類がある。急須を使わず、茶葉をそのまま茶碗に入れ、熱いお湯を注ぐ。飲むときは瓷盖で茶葉をよける。なくなったらまたお湯を注いでくれる。茶館の中に常にやかんを持って歩き回っている店員がいて、お湯を足してくれる。お湯のいらない場合は、瓷盖を瓷碗の上に置いておく。値段は三元から数十元までさまざま。一度注文すれば、朝から晩までいても文句を言われない。途中で席から離れたいなら、瓷盖を椅子の上に置いておけば、店員は片づけないし、ほかの客も席をとらない。


茶館に来る人々もさまざま。世間話をする友人、恋人同士、商談をする商売人、文章を書く作家、本を読んでいる学生、或いは何もしないでただ居眠りをしている人。お茶を頼み席に座ると、また色々な物売りがやって来る。必ず来るのが、雑誌売り、靴磨き、耳掻き、按摩等、運が良ければ猿回しの大道芸も見られる。まさに各人各様、他人の空間を尊重し合い、独自の時間を楽しむ四川文化の縮図。

まだ成都にいたとき、天気の良い日、お昼になると同僚と一緒に職場の近くにある錦江沿いの茶館でお茶を飲んだ。春の錦江両岸、桃の花、椿の花の香りが漂う中でお茶を味わいながら、何も考えずにゆったりと流れる錦江を眺めるのは、本当に至福なひと時だった。

毎日少なくとも16万の成都人が茶館で過ごしていると言われている。ある作家は成都人の一日の生活についてこう大げさに書いた:「茶館にいなければ、きっと茶館に向かっている途中のはず」。

最近 内装が奇麗で洋風の豪華な「茶楼」や「茶坊」がどんどん増えているが、私はどちらかというと、やはり竹の椅子に座って、町の景色をゆっくり眺める茶館のほうが好きだ。故郷に帰れば、必ず家の近くの文殊院の茶館で一日ゆっくり過ごすことが私の楽しみになっている。


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