先月の訪日で日本でも一遍に有名になったブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチェク5代目国王とジェツン・ペマ王妃。お二人の優しく微笑ましい姿に癒された方も多いのではないでしょうか?ブータンは国王が婚約を発表された時からロイヤル・ウェディング一色で幸せな空気に包まれています。
国王が5月に国会の途中に突然ご婚約の発表をされました。いつもの表情とは違い少し照れたような表情でジェツン・ペマの名前と10月に結婚する旨を述べました。ワイドショーのようなテレビ番組、週刊誌のような情報誌のないブータンですが、人口も少なく小さな国なので、みなお相手のことも知っていたようです。義理の姉は直ぐに携帯電話に保存してあるジェツン・ペマの写真を見せてくれました。
お二人は10月13日にプナカという冬の都にあるプナカ・ゾン(城(現在は県庁兼寺院))でご成婚されました。国王の意向もあり各国の首脳も招待せず、チベット仏教僧が執り行う儀式によるチベット式の結婚式でした。儀式の後はゾンの外で国民とのお祝いの会が催され、お二人は国民の中に混ざり、多くの国民の祝福を受けていました。
翌日はプナカから首都のティンプーに戻りました。その沿道にも多くの国民が集まりました。人の姿を見かけるとお二人は車から降り国民からの祝福を受けていました。車で移動すると2時間半の距離を14時間程掛けて、国王のオフィスでもあるタシチョ・ゾンに戻られました。王妃はハイヒールを履いており、時々足が痛そうな様子でしたが、笑顔でみんなの祝福に応えていました。そして沿道の国民もお二人が通り過ぎるまで食事抜きで待っていました。みんなの予想以上にお二人が一人一人の国民に応えていたため、最終地点のタシチョ・ゾンの近くで待っていた人は10時間近く待っていたそうです。それでもみなお二人に祝福できたこと、お二人の幸せな姿を見ることができたことに満足でした。
その翌日にはティンプーのチャンリミタングランドでまた結婚のお祝いの会が午前10時からありました。早朝3時ぐらいから会場には人が集まり始め7時ぐらいには満席となってしまいました。国王は国民の祝福に応えてか、大臣達によるお祝いの踊りの輪に混ざるという楽しいサプライズもありました。王妃は4代目国王を初めとするロイヤル・ファミリーの席に混じって国王を見守っていました。
国民は国王と王妃が国民一人一人に目を向けてくれていると感じ、そして国王と王妃も国民は自分達を慕ってくれるという自信になり、お互いに信頼関係が深まったのではないでしょうか?素敵なロイヤル・ウェディングでした。