【98】人の暮らしに寄り添う旅

先日 企業の役員をしている友人からメールが入った。
来年度の新入社員が入社前の研修でモンゴルへ行って馬に乗るという。
時期は3月、こんな時期にモンゴルに行って大丈夫だろうかという質問だった。

私が最初にモンゴルを尋ねたのは9月だったが、朝晩は寒さを感じた。
草原のベストシーズンは6月から9月、3月のモンゴルに行ったことはないが、その寒さの想像はつく。
寒さ対策を充分にというメールをしようと思ったが、
念のためにモンゴルの専門の旅行社の友人に聞いてみることにした。

彼の会社は、モンゴルやネパールを専門にした旅行会社で当社もモンゴルツアーを企画する場合、
この会社に手配をお願いしている。電話口に出た友人は、事情を説明した私に開口一番こう言った。

『馬が心配だなぁ』
『えっ 馬?』と私
『草原で暮らす馬は冬の間 充分にえさが食べられないでしょう!体が弱っているんですよ。
だから 遠乗りにはむかないんですよ。』
馬の事など考えてもいなかった私に彼は続けた。
『どうしてもという旅行会社と馬をだしたがらないモンゴル人との間でトラブルになるんです。
馬はモンゴル人にとって財産だから・・・・・』

我々のようなオーダーメイドで旅をつくる旅行社は、お客様の希望を大事にし、それに忠実に手配して喜んでいただくことが基本であることは間違いない。
しかし 現地の人々の暮らしを理解し、
それにそって出来る範囲で手配していくことも大事なのだと改めて思った。
それを伝えるのも私たちの仕事なのだと・・・。
地元の暮らしにそって旅してこそ、民族性や文化が理解できるのだろう。

年の初めに大切なことに気づかせてもらい、
問い合わせてきた友人と答えてくれた友人に感謝したい。

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