【254】パンダ

日本からパンダがいなくなりました。
和歌山から去り、そしてとうとう上野からも去ってしまいました。借りたものを返すのは当然ですが、なんとなくそこに大人や国の事情を勘ぐってしまうのは、私だけではないと思います。

私が出会ったのは、初めて来日したランランとカンカンです。
中国文学を学んでいるなら「パンダは見るべきだ」という、今思えば少し訳のわからない意見が一致し、上野へ見に行きました。行列を作り、見られたのはほんの数分だったと思いますが、世の中にこんなにかわいい生き物がいるのかと、本当に驚いたものでした。

その後、学校を卒業し、中国を専門とする旅行会社に入ったため、パンダを見る機会は増えました。なかでも、パンダの故郷・四川省の臥龍パンダ保護センターの訪問は、今もはっきりと覚えています。
成都市から約130キロ離れた山岳地帯にあるこの施設は、パンダの保護・研究と一般公開を行う場所で、より自然に近い環境でパンダを観察できます。生まれたての赤ちゃんから数か月、そして成長したパンダまで会うことができます。現在は管理が厳しく、ガラス越しで見る程度ですが、当時はおおらかなものでした。そして、いくらか支払うと(金額は忘れましたが)パンダと記念写真を撮ることができました。

初めて抱っこしたのは、生後数か月のパンダでした。
膝の上に乗せるとすんなりと収まるのですが、乗せ方が悪いと、ずるずると下に落ちてしまいます。体は非常に柔らかく、遠目にはふわふわに見える毛は、思ったより剛毛です。そして一番驚いたのは、その目とその手でした。それは間違いなく、熊そのものでした。
あるお客様が手を引っかかれ、バーコードのような傷がついてしまったことがあります。きちんと注意しなかった私に落ち度があるとお詫びしましたが、「こんな貴重な傷はない」と嬉しそうにされていたのも、懐かしい思い出です。

日本で見られなくなるのは残念ですが、きちんと育って大きくなり、故郷へ帰っただけのこと……。飛行機に乗れば5時間で会うことができます。強がりを言ってみても、やはり寂しいですね。

ということで、当社でもパンダツアーを緊急企画中です。
ぜひ、みんなで会いに行きましょう。

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