最近 思い出して翡翠の指輪を身に着けています。この翡翠は、今から30年以上も前に、中国人から送られたもの、その翡翠の石を日本で指輪にしておきました。
この翡翠を見ては、いろいろな事を思い起こしています。私たちは、宝石というとダイアモンドが一番と思いがちですが、中国人のかれらにとってはダイアモンドよりも特別な価値があるのが翡翠のようです。
いつも 翡翠を身に着けている中国の友人の話です。彼女の祖母は、毎日 翡翠の腕輪を身につけていたのだそうですが、寝る前にその翡翠の腕輪を水につけておき、朝起きるとその水で顔をあらっていたそうです。その おかげで、いつもきれいな肌だったとか。また ある日 命にかかわるような、交通事故にあったそうですが、大事にはいたりませんでした。その時につけていた、翡翠の腕輪がふたつに割れていたそうです。彼女曰く 翡翠にすくってもらったと。
そういえば、中国の博物舘でも翡翠を使った古代の道具や装飾品を多く見てきました。古代から邪鬼を払い幸運をもたらすものとして珍重されていたのです。
中国では、こういった翡翠のような石を総称して、玉(ぎょく)とよんでいます。とりわけ、新疆の和田(ホータン)の石が素晴らしいとされています。井上靖の「崑崙の玉」では玉をもとめて玉の産地崑崙山へ入っていく様子が描かれていますが、その崑崙山から流れ出る川があるのが和田(ホータン)なのです。私も以前 この川で玉探しをしましたが、当然ですが、みつけることはできず、小さな石をひとつ持って帰りました。いまでも我が家の階段の棚におかれています。
あれこれと、話がとんでしまいました。いづれにせよこの小さな小さな翡翠が邪鬼を払い、幸運を運んでくれることを願う私です。


