【232】漢詩にふれる

花が一斉に開き、全ての木々が芽吹く美しい季節 春がやってきました。私はこの時期になると、蘇東坡の『春宵一刻値千金・・』から始まる春夜という漢詩を思い出します。
清少納言は枕草紙で『春はあけぼの・・・』と書いています。私としてはどちらかというと、蘇東坡に軍配をあげたいとおもうのですが、山ぎは少し明かりて・・・という時間におきていないせいかもしれませんが。

さて この『春宵一刻・・・』というのは北宋の時代の蘇東坡によってつくられた春夜という漢詩です。蘇東坡は1036年から1101年に生きた政治家・詩人・書家などで活躍した人です。私たちにもなじみのある東坡肉は彼の名前からつけられています。
 
  <春夜> 蘇東坡
 春宵一刻 値千金
 花に清香有り 月に陰有り
 歌管楼台 声細細
 鞦韆院落 夜沈沈

春の夜のすばらしさを金に例える意外性、端的に春の美しさをたたえ、静かになりつつある歌や笛に耳を傾け、目を転じると庭には誰も乗らなくなったブランコがある。

遠い宋の時代の春のひと時が浮かんでくるようです。

蘇東坡がこの漢詩を作ってから、1000年以上の月日がたっていますが、漢詩という世界のおかげで、私たちは原文で読むことができるというのは、何と素晴らしいことかと思います。
さぁ 新学期もはじまります。私も久しぶりにNHKラジオの漢詩をよむでも聞いてみようかと思った春でした。

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