【253】NHK紅白歌合戦とウィーンフィル・ニューイヤーコンサート

 明けましておめでとうございます。

大晦日の日本の「国民的恒例番組」である『紅白歌合戦』を、私は幼少期からずっと見ていますが、さすがに時代の変化とともに違和感が強くなってきました。そもそもこのご時世に、性別を男女の2つだけに分けて競うとういうのはいかにも時代にそぐわない気がしませんか? 男女混合のグループを紅白どちらかに当てはめるのも無理がありますが、今や紅白だけでは収まらない桃色や無色透明や黒やオレンジなどさまざまな色彩の性別があるのではないでしょうか。「国民的恒例番組」が「性別は2つだけ」という意識を規範として広めてはいないでしょうか。そのうえ紅白に勝敗を付ける「合戦」というのも、いま求められている国際協調の精神に合致しない気がします。

 一方で新年のオーストラリア・ウィーンフィルのニューイヤーコンサートには感動を覚えました。まず指揮者に初めて北米大陸のヤニック・ネゼ=セガンを起用しました。彼自身が同性愛者であることを公表しているそうです。「多様性」というテーマが浮かび上がってきますが、それは選曲にも如実に現れました。1つは初めてアメリカの作曲者、しかもアフリカ系の女性の曲を取り上げたことです。しかも「レインボー・ワルツ」というタイトルの曲です。2つめはウィーンの女性作曲家の曲を組み入れたことです。ヨーロッパ初の女性オーケストラを結成し、その指揮者を務めながらヴァイオリニストとしても活躍した作曲家だそうです。

 そして極めて印象的だったのはネゼ=セガンの指揮台からの恒例の新年あいさつでした。「ウィーン・フィルのメンバーと私から、今年なによりも一つ、皆さまに願いたいことがあります。平和です。あなたの心の中の平和。あなたの周りの人々との平和。そしてなにより、世界中すべての国々の間の平和です」。さらに指揮者のあいさつではこうも言っています。「私たちは皆さんに、優しさを願います。心の中の優しさ、互いに向ける優しさ、互いの違いを受け入れ、それを称え合う優しさ。音楽は私たち皆を一つにできます。なぜなら、私たちは同じ地球に生きているのですから」。

 年末年始の恒例の音楽プログラムから、平和と多様性を尊重し、非寛容と差別を社会からなくすことの大事さを考えてしまいました。2026年が平和で、世界中を旅できる日々になりますように...

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