インド映画というと、14,5年ほど前に日本で流行った“ムトウ 踊るマハラジャ”が有名です。
ヒーローは、日本人から見ると、特にイケメンでもなく若くもない、本国では有名俳優とのことですが、一見とても普通にインド人らしいオジサマ俳優。
3時間超と長く、歌あり踊りあり美女ありの盛りだくさんな、ミュージカルのような作品のスタイルが一般的とのことで、“インド映画”とは、何とオリジナリティーにあふれる世界!ということを強く印象付けられました。
現在公開中のインド映画“ロボット”は、一見、ハリウッドのSF映画のようなスタイリッシュな作品です。ポスターは近未来をイメージしたロボットが涼しげに立ち、タイトルもストレートに“ロボット”と覚えやすく耳になじみます。
メインのストーリーもいたってシンプル。ロボット工学博士が生み出した博士そっくりのロボットが、人間の感情を教えられ、恋をし、失恋から悪に落ち・・・と、ロボットの話としてよくあるような筋です。
経済発展著しいインドの、映画史上最高の製作費37億円をかけ、アクションは香港映画界の協力を仰ぎ、ロボットの特殊効果などはターミネーターシリーズを支えるスタジオが協力、ペルーの世界遺産マチュピチュやブラジルのレンソイス・マラニャンセス国立公園でロケが行われたという、とても豪華かつ本格的なSF作品です。
しかし、この一見ハリウッド映画をなぞったようなSF映画は、やはり“インド映画”でした。
主人公のロボット工学博士とロボットのニ役をこなす主演男優は、なんと14年前のムトゥに主演していた“とても普通にインド人らしいオジサマ俳優”ラジニカーント氏。
オープニングクレジットでは、『スーパースター ラジニカーント』と、他のクレジットの実に4倍はありそうな文字の大きさで華々しく紹介されます。
このインド映画界のスーパースターは、撮影時何と御年61歳であるにもかかわらず、年齢を感じさせないキレのある踊り、歌、アクション、そして笑顔で、
ヒロインの美女を傍らに“我こそはヒーロー!我こそはスーパースター!”という濃い魅力を全力で振りまきます。
インドは、娯楽としての映画の人気が大変高い国です。
名前の前につく“スーパースター”という称号は、インドの映画界の活気とカリスマ俳優の人気を表しているように思えました。
SF・ロボットというテーマの近代的魅力、ベテランスーパースター俳優がもつ“変わらないインド”の魅力、両者の魅力が上手に融合した作品だと思いました。
インドは、一度旅行したらはまってしまい、何度も訪れる人が多い魅力的な国といいます。
インド映画も同様なのか、毎週のように・・・気づけば3回も映画館で観てしまいました。
映画の中に出てくる何気ないインドの街の風景や電車、ヒロインが着ていた美しいサリーなどが思い出され、映画を通して、インドへの興味が湧きあがります。
インドへは、エアインディアで成田から直行便が出ています。今年の夏は、弊社でもインドへ旅行されるお客様が例年よりたくさんいらっしゃいます。
経済が・映画が・文化が熱い、インド。今後も注目したいと思います。