外国語を話すことは、どうも日本人にとって苦手なことらしい。私の友人の外国人の中には数ヶ国語を何の苦労もなく話している人もいて、世界がひろがるだろうなぁと本当にうらやましく思う。
わたしも一応中国語を勉強したが、話しているうちに突然 相手の言っていることがわからなくなり、頭の中が真っ白になってしまうことがある。普段はよく話す私だが、中国では無口になりがちだ。もっと うまくなりたいと思うのだが・・・・。
それでも、専門学校時代は一生懸命中国語を勉強したように思う。当時は簡単に留学できる時代でもなく、何とか日本にいて中国語をマスターしたいと必死だった。寝る前には、必ずテープに吹き込まれた毛沢東の十大関係論を聞いた。当時は教材もすくなく、そんなものしかなかった。ただし 2、3行聞いたところで深い眠りにはいってしまい、全部 通して聞いた覚えはない。また 町をあるきながら、目に入る漢字をすべて中国語にして読んで歩いた。手元には必ず、中国語の単語帳があった。家族の話だと寝言も中国語でいっていたとか。(果たして、正しい中国語だったかどうかは、はなはだ疑問だが・・・・)
そんな 1年間を過ごし、就職した。入って半年ほどで、中国に行く機会に恵まれた。
中国では、話していることは、ほぼ 理解できたし、私の意図も伝えられた。数日 たった日、食堂で食事をしているときに、お客様からフォークを借りてもらえないかと言われた。フォーク・・・・!。そんなものは教科書になかった・・・・・。いやはや びっくりした。中国でフォークとは・・・・・。仕方が無いので、絵を書いて説明をした。服務員は『叉子(chazi)』と鼻で笑い、私に投げてよこした。私は、心の中で、学校で習わなかったんだから、しかたない・・・・。
中国では箸にきまっている・・・。とつぶやいていた。
その日から、一度もフォークという中国語の単語を忘れたことはない。