東京都では、障害者や高齢者の方が、東京の自然を安心して楽しめる観光事業を推進しており、先日、その障害者向けの自然体験型観光プログラムの運営ノウハウを勉強するトレッキング体験会に参加しました。
場所は、東京の多摩地区にある払沢(ほっさわ)の滝と檜原都民の森。
払沢の滝は、東京都で唯一”日本の滝100選”に選ばれている名瀑です。入り口から滝までは徒歩約15分のゆるやかな傾斜の遊歩道ですが、それでも山道ですから、道幅は狭く、丸太の段はあるしで歩きにくい路です。
そこを何と車椅子で移動するのです。 もちろん普通の車椅子は無理なので、牽引装置を用いた「JINRIKI」という専用の車椅子を利用し前後をサポートして昇り降りします。電動ではなくまさに人の力です。てこの作用なのでしょうか?前輪を浮かせながら丸太を乗り越えていきます。
車椅子の前側に立つ介助者は、経験が必要ですが、後ろから押す介助者は素人でも大丈夫でした。 力もそれほど必要としないし、実際に乗車されている障害者の方も不安感はないとのことでした。
檜原都民の森は、平坦な道でウッドチップが敷き詰められ、歩き安いので、普通の車椅子でも大丈夫でした。
参加者の中に、視覚障害の方もいて、ガイドサポーターの方が、足もとの状況を大変細かく説明して歩かれていました。 終了後には、空気がとても美味しくて、自然を体感されたとおっしゃってました。個人だとなかなか出かけづらいので、こういう団体で出かける機会があれば嬉しいとのことでした。
年々増える高齢の方、障害をお持ちの方の需要を喚起するユニバーサルツーリズム(誰もが気兼ねなく参加できる旅行)のツアーの造成を心がけていきたいと強く思いました。