【121】ブータン、冬の大移動

ブータンの学校は旧暦のお正月(2月末頃)が明けると新学期になります。学生達は11月末に学年末の試験が終わり、3か月弱の長い冬休みを過ごします。この時期、農業も多くの地域で農閑期のため、農民が多いブータンでは国全体おやすみムードです。

そして、ブータンでは昔から季節によって住む場所を変える習慣があります。夏は涼しい地方で、冬は暖かい地方に住みます。ブータンはヒマラヤの国で寒いイメージがあるかもしれませんが、緯度が沖縄と同じぐらいで、高地でなければ亜熱帯気候となります。インド方面の南、ヒマラヤ山脈方面の北はもちろん高低差があるのですが、東西にも谷と峠の繰り返しで意外と高低差があります。例えば首都ティンプーから東に約60キロ離れた古都プナカは千メートルぐらい低くなります。高低差によって得られる気温の変化は距離によるものより大きいので、山がちな地形のブータンでは住む場所を変えるのが比較的しやすいのでしょう。今でもブータンで一番偉い僧侶・ジェケンポは弟子達と共に夏季を首都ティンプー、冬季をプナカという暖かい地方で過ごしています。60年程前までは国王も共に移動していたので、首都も夏季はティンプー、冬季はプナカでした。

今でも山で放牧している牧畜家などは季節によって移動して生活しています。仕事のためでなくても、多くの国民が冬の間は親戚の家などに身を寄せて生活しています。そして、冬には暖かい地方で毎年のように偉い僧侶による法要や説法が1か月以上に亘り行われます。多くの国民がその地方の親戚の家、テントで暮らしてその法要に参加します。ここ近年は便利さを求め、首都ティンプーに人が集まってきていますが、この冬の大移動で地方の知り合いとも交流を保てている感じもします。

私は冬は毎年日本に帰省しています。この習慣のお陰もあり、そして家族を何よりも大事にする考えもあり、私も日本の家族や友人と寒いですが日本でゆっくりと過ごすことができます。

冬のプナカ
法要風景

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