日差しが明るくなり、きびしかった冬もまもなく終わり、ようやく春です。街を歩いているとあちこちの庭先で咲いている梅の花をみかけるようになりました。
この梅の原産地は、中国です。遣隋使の時代に日本に入ってきたそうで、最初は珍しい、美しいで、もてはやされていたそうですが、いつのまにかその座を桜にゆずったとか。桜は桜で美しいですが、まだ 寒い中 凛として咲いている梅の花もなかなか捨てがたいとおもいます。山西省の山道をバスで走っていたとき、乾いた黄土色の大地のなかにすくっと1本、真っ白な花をつけていた梅が今でも目に浮かびます。
1987年に中国人が選んだ十大名花という記録が手元にあります。全国投票で選ばれたそうです。1位から 梅・牡丹・菊・蘭・月季※・つつじ・山茶花・蓮・金木犀・水仙の順だそうです。確かに、梅を描いた水墨画は多いですが、1位とは以外でした。おそらく富貴の象徴で華やかな牡丹が1位かと思ったのですが・・・。ただしこれは 15年前の投票です。経済成長の著しい昨今、中国人の気質も変わり『牡丹』へ心変わりしたかもしれません。
この十大名花をいろいろ調べておりましたら、おもしろい記事がみつかりました。中国の十大名花のうち8種類が英国、米国、オーストリアによって国際登録され、あわてた中国は98年に梅を登録、金木犀は登録権獲得にむけ係争中という2003年10月9日の人民網(人民日報サイト版)です。花の世界もグローバル化、きちんと国際登録をしなければならないということなのでしょうか。
先日、雲南省から羅平県の菜の花が咲きましたというメールが入っていました。これから菜の花、桃そして牡丹やしゃくなげまで中国全土で花の季節をむかえます。この季節 日本では花粉症に悩まされる時期ですが、中国には花粉症はありません。花粉の原因となる植物が少ないからです。花粉病対策に中国渡航などはいかがでしょうか。
※月季:庚申バラ。暦の庚と申ごとに花がひらく(つまり60日に1回)のでこうよばれている。