【58】バリの赤い葉

9月の末、関東でもっともはやい紅葉の知らせがとどいた。
今年は、例年より1週間から10日早い秋の訪れだそうだ。

テレビ画面いっぱいに写る赤や黄に染まりはじめた山の景色を眺めていたら、ウブドのオカさん宅の裏路地に生えていた赤い葉の大木を思い出した。

あれは、間違いなくポインセチアだった。
庭の塀から悠々と枝を天に伸ばし、育ちすぎる熱帯のマンゴーの木と競うように偉容を誇っていた。

私の知っているポインセチアといえば、、クリスマスの季節、町にあふれる小さな植木鉢で可憐な赤い葉を揺らすもの。目の前にあるのは大木に節くれだった枝そしてその色を誇るような赤い葉。
住人に失敬して塀によじのぼり、じっくり葉を観察。
緑の葉はどうみてもそれに間違いない。枝の上部に帽子のように広がる赤い葉もとには、黄色いくちびる形のユーモラスな花が、やっぱりついている。

日本に帰り、すぐにその花のことを調べてみた。
ポインセチア:原産地は中米。熱帯の木とあった。
温帯の日本でも、巨大化したポインセチアの「木」の報告が珍しくないこともあわせて知った。

紅葉といえば日照時間が短くなり、寒暖の差がはげしくなる秋の風物詩だ。ポインセチアも日照時間が短くなり、温度差がはげしくなるとで赤く色づくと聞いたことがある。
  ところがここは、赤道直下、常夏の島。日照時間が短くなることも昼夜の温度差がさほどはげしくなることもない。そんな気候で葉は赤く色づくとは。

日本人は、紅葉によって秋を知り、季節の移り変わりを感じる。
果たしてバリの人たちは、大きな赤いポインセチアをみて何を感じるのだろうか?
日本の紅葉の美しさをオカさんに話しに、バリに行きたくなった。

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