【57】お墓参り

8月はお盆でお墓参りをされた方も多いのではないでしょうか。お盆には先祖の霊がこの世に一時帰るといわれ、お墓参りをする習慣があります。そして9月のお彼岸にもお墓参りに行かれる方も多いことと思います。ブータンにはお盆やお彼岸の考えどころかお墓参りという習慣がありません。

ブータンには日本と違ってお墓も位牌もありません。生き物は亡くなると死後49日経てば、何らかのかたちでこの世に生を受け、戻ってくるという輪廻転生を心から信じています。ですから死後49日以降は死者の霊をなぐさめる必要はないと考え、死者に執着しません。死者はこの世のどこかに生き返って新たな一歩を踏み出しているので、遺骨をお墓に納めるという考えがないのです。

ブータンでは以前は水葬や鳥葬をしていましたが、現在は特別な場合を除き火葬します。まず僧に頼んで火葬の日などを決めてもらい、各地の火葬場で火葬します。そして死後49日までは家に僧を呼びお経をあげてもらいます。7日ごとには親戚や知人も集まり法要を行い、死者が少しでも良い環境に生まれ変わることを祈ります。

遺体は骨まで完全に灰にし、灰は一部だけ残し、川へ流してしまいます。残しておいた灰の一部を土と混ぜて“ツァツァ”と呼ばれる高さが10センチほどの三角錐型の仏塔のようなものを108個作り聖地などに置いて祈ります。

また“ダルシン”と呼ばれる縦長のお経文旗を108本、山の上などの風が吹き抜ける場所に立てます。ダルシンが一回風にたなびくとそこに印刷されている経文を一回読んだのと同じだけの功徳があるといわれます。

ツァツァもダルシンも数年すれば風化して無くなってしまいますし、誰のものかもわかりません。お墓の習慣になれている日本人には少し寂しく感じるかもしれません。

ブータン人は輪廻転生を深く信じています。一匹の虫や動物にも先祖だった可能性、死後に生まれ変わる可能性があると思い、深い共感を示しているように感じます。だから命を大切にすること、他者へのあわれみの感情を持つことが日々の生活にまで根付いているのではないかと思います。

ブータンを旅した方の中にも、自分の死後は火葬した骨をブータン流に弔って欲しいと言われた方もいます。現在チベット仏教を国教とする国はブータンだけです。ブータンでチベット仏教を心から信仰する人々に触れてみませんか?

ダルシン
ツァツァ

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