【222】なんで上州?

 新緑の季節に上州を旅しました。
 そこで、どうしても理解できないので、コラム読者の皆さんにお聞きします。なぜ「上州(じょうしゅう)」なのか?
 古代北関東は「けぬ」と呼ばれていました。そこで「毛野国(けぬのくに)」という国名(現代風にいえば都道府県名)が誕生します。現在の群馬と栃木に相当する地域が2つに分割されることになり、「上野国(かみつけぬのくに)」と「下野国(しもつけぬのくに)」ということになりました。本来なら「上毛野国」「下毛野国」ですが、古代日本では2字の好字を採用するよう推奨されたので、両国とも「毛」を脱落させました。ところが、読みでは「野(ぬ)」を脱落させたので、字と整合しません。
 その名残りで、今日でも群馬を「上毛(じょうもう)」とか「上州」と称し、栃木には「下野新聞」があります。問題はなぜ、群馬は上州なのに、栃木は「下州」と呼ばれないのか?ということです。まあ、「下」はよろしくないから使わないというお考えもございましょう。
 しかし、もっと問題なのは千葉県との関係です。千葉はもともと「捄国(ふさのくに)」でしたが、やはり「上捄国(かみつふさのくに)」と「下捄国(しもつふさのくに)」に分かれ、これが後に「上総(かみつふさ→かづさ→かずさ)」、「下総(しもつふさ→しもうさ)になったということです。
 そうなりますと、「上総」が「上州」と称さないのに、なぜ「上野」、つまり群馬だけが上州を独占使用しているのでしょうか? 千葉VS群馬の「上州」呼称対決が生じないのはなぜなのでしょうか?
 それを考えると夜も眠れません。読者のアドバイスをお待ちします。では、おやすみなさい。

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