【45】中秋の名月

 日中は暑いとはいえ、朝晩に吹く風の中に秋を感じるようになりました。
日暮れも早くなり、澄み切った空に気がつくと大きな月がでています。秋の月といえば、中秋の名月です。今年は9月14日だそうです。

 小さい頃 母親が月見団子を手作りし、ススキや季節の果物と一緒にそなえていました。私は翌朝 そのお団子を食べるのが楽しみだったことを思い出します。母の習慣を受け継ぎ、手作りでこそありませんが、今でも花や団子や果物をそなえています。

 以前 大きなグループの先見として一人で敦煌へ出張した時のことです。現地の手違いで出迎えもホテルも何も手配されていなかった事がありました。自力で何とか泊まる予定だったホテルにたどり着いたのですが、予約もされておらず、あいにく満室でどうにもならないという冷たい返事でした。それなら友人のマネジャーに連絡してほしいと頼んだところ、休暇中というこれまた冷たい返事でした。

 今夜のこともそうですが、これから来る大きなグループのことも心配になり、ロビーの椅子で考え込んでしまいました。すると そこに先ほどまで様子をみていたフロントの若い男性が私に近づき、よければ知っているホテルを取ってあげようと声をかけてくれました。渡りに舟とはこのことです。幸いにして無事に手配でき、スーツケースを引きずりながら玄関をでたとき、またフロントの男性が追いかけてきました。今から自分は自宅に帰るので、同じ方向だから送ってあげようとのこと、私は言葉に甘えることにしました。すると彼は自転車を持ってきて、すっと荷物を荷台にのせすたすたと歩き出しました。

 気がつくとすっかり日は落ち、空には月が出ていました。その月の光の中を自転車について敦煌の町を二人でとぼとぼと歩きました。彼との話の中で、はじめてその日が中秋の名月だという事に気がつきました。本当にきれいな月でした。

 私の忘れられない中秋の名月の思い出です。

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