【61】北京1999

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

  2009年から2010年に…思えば10年前の1999年、中国は建国50周年の節目、24時間建設ラッシュで賑う首都北京に、私は語学留学をしていました。しかし大学の都合で、3箇所の寮を転々と…そんな全く趣の異なる北京の町3箇所をご紹介します。

●郊外の大学街の…何故か中学校の敷地の中
  初めは分校と呼ばれる、何故か別の某大学の付属中学の敷地の中の4階建ての建物。中学校の中なので、食事は教員食堂、校舎の周囲は運動場と、不思議な環境でしたが、中学生が50周年の式典の稽古に励む様子等、珍しい光景を垣間見る事が出来ました。夏休みに入る頃には、分校も建設ラッシュの煽りか、校舎を取り壊し始めました。…まだ3階4階に我々が住んでいるのに。当たり前のように2階を壊し始めた時には、カルチャーショックを受けました。

●北京一の繁華街、王府井の裏手の一等地
  分校が無くなり、また何故か別の某大学の寮へ引越し。そこは北京一の繁華街、王府井の一歩裏手にある建物でした。勿論一番の繁華街、何を建てるのかそれとも壊すのか、あちこち掘り返し、砂埃が常に舞い、比較的高い階に住んでいた筈なのに、常に工事の音がBGMでした。そんな環境で、夏休みを半ば観光客気分で、中心地生活を満喫していました。

●古き良き伝統住宅、四合院に囲まれて
  夏休みも終わり、やっと本校の寮に引越し。本校は北京の下町、伝統的な四合院という古い街並みの保護区の中でした。新聞売りのおじさんもコッテコテの北京訛り(北京語特有の巻き舌音で、慣れないと何を言っているのか??)、近所を散歩すれば、30個位の卵が入った袋を下げた大家族?のおばあちゃんに会い(そんなに沢山どうするの?と友人が聞くと「どうするって、食べるんだよ」と、ごもっとも)、毎朝片手大の大きな蒸したて饅頭(マントウ)を売る店や、超分厚い肉餅(ロウビン)を売る店があり…共通して言えるのは、皆北京っ子らしく気さくに話しかけてくれることでした。ある人は、留学生の私たちが物珍しいのか、四合院の中に招待してくれ、餃子の作り方を教えてくれました。(日本人が餃子を包めるのがとても意外だったらしく、中国でも立派に嫁に行けると太鼓判を頂きました)本校の建物は普通でした…が、4階建てに寮生が住んでいるのに、5階を増築していたような…記憶違い…?いや、今までの経験上、階を増やすなど朝飯前なのでは…恐るべし中国!!

  一番印象深い経験は、世界に名だたる建造物、万里の長城の上で21世紀を迎えた事です。中国は旧正月がメインなので、ほぼ日本人留学生だけで盛り上がっていましたが、歴史ある建造物の上で新たな世紀へ…貴重な経験でした。

  今の北京は10年前と大きく変わっていると思いますが、人だけは変わらない、話好きで気さくな北京人(ベイジンレン)であって欲しい思います。

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