【170】雪の記憶

 私は祖父母が山形県の庄内出身なのですが、自身は神奈川生まれの神奈川育ちで、雪国とは縁がありません。

中高生のころ、雪はこの現世の穢土を覆ってくれる清く尊いものだと思っていました。その名残か、今でも雪が降るとうれしくなります。

長じてスキーもたしなみましたが、根っからの寒がりで耐えられず、全く上達しませんでした。世間では、「私をスキーに連れてって」とか言ってましたが、私にそう言ってくれる人がいなかったせいかもしれません。

 印象深いのは季節はずれの雪ですね。

 ご幼少のみぎり、家族で富士山麓で遊んでいたら、5月の連休だというのに車の窓を激しくたたく雪に出会いました。

 お客様を5月の連休明けに北海道にお連れした時にも、知床に向かう道中で雪に降られ、翌日は羅臼に抜ける知床横断道路が閉鎖になってしまいました。

 4年前の3月10日に家族で琵琶湖周遊した折も、湖東の十一面観音めぐりの最中に突然の大雪に見舞われ、ドライブも、寺院の石段の昇り降りも、たいへんな目に遭いました。

 首都圏に住んでいると交通機関の乱れやら、住宅地の雪かきやら、なにかと面倒なことになりますが、やはり雪の記憶は、ほかの記憶よりも長く、強く残るのではないでしょうか。少なくとも私はそうです。

 今月は降るでしょうか。どうせなら休日の朝から降って、ぽかぽかの室内で雪見酒とまいりたいところです。

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