【24】夜空を焦がす大花火

子供の頃母に連れられて河原で見た花火は菊の大輪が夜空を覆うだけの単調なものがほとんどだった。日本の夏の風物詩の花火は今や華麗で優雅であり、そしてドラえもんやミッキーの顔を演出し、見ている人々を感動の世界にってくれる。そんな花火は「日本だけの物」と思っていたのは大きな間違いでオージー(オーストラリア人)も花火が大好き。

12月31日。大晦日はシドニー湾を豪快な花火が真夏の夜空を焦がす。私が住んでいたニュートラル・ベイのアパートは運良くハーバー・ブリッジを見渡せた。アパートの上の階も下の階の人も窓を開け放ちその時が来るのを酒盛りをしながら待ち続けていた。もちろん私もご多分に洩れず、わいわいワインを片手にその時を待った。しかし誰もがそんな都合が良い訳ではない。良い場所で酒盛りをしながら真夏の夜の夢に浸りたい多くの人々はベスト・スポットを、ちょうど日本の花見のように、朝早くから場所取りをする。いずこも考えることは同じなのは面白い。もちろんシドニー湾の南側、北側いずれも黒山の人だかり。そしてグッと豪華なのはシドニー湾に浮かんだ自家用クルーザーから眺めること。午後9時。まず、第一ステージ。連続花火が豪快に打ち上げられる。しかしクライマックスはこの後0時前の第二ステージ。カウントダウンが始まりハーバー・ブリッジを覆うように仕掛けられた花火が一斉に天空に向かって火花を吹き上げる。なんとも壮大なスケール。壮観な光景。そう言えば2000年のシドニー・オリンピックの時には橋に5色の五輪マークが仕掛けられた。そしてどこからともなく聞こえてくる「ハッピー・ニュー・イヤー」の挨拶。「今年もよい年でありますように。」見知らぬ人々が互いの幸福を祈り合う。

もうすぐ2006年も終わろうとしています。大晦日には、シドニーに負けないくらいの花火と幸福を心の中に輝かせたいですね。
今年も一年、当コラムをご愛読いただきありがとうございました。
まもなく明ける2007年も、皆様にとって素晴らしい花火が咲く年となりますよう、スタッフ一同お祈りいたします。

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